社内コミュニケーションはなぜ必要か 向上のポイントと取り組み事例8選

社内コミュニケーションはなぜ必要か 向上のポイントと取り組み事例8選

「社内コミュニケーションを向上させたいけれど、どんな方法が良いか分からない」、「色々と制度を導入して試しているけれど、どうもうまくいかない」こんな悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。


一口に社内コミュニケーションといっても、組織によって目的も対策も異なります。一概に「これが正しい!」という答えがないため、頭を悩ませている方はとても多いのです。
この記事では、社内コミュニケーションの向上の取り組み事例と、改善のためのヒントをまとめています。

  • 他社で実際に導入されている事例集
  • 社内コミュニケーション活性化の目的
  • 社内コミュニケーション活性化が進まない理由と対策
  • 導入の際に注意すべきポイント

このような内容を紹介しています。社内の問題を発見する糸口になりますので、参考にご一読ください。

 

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社内コミュニケーション向上のための取り組み事例8選

社内コミュニケーションの活性化に成功している会社は、どんな取り組みを行っているのでしょうか。まずは、実際に現場に導入された事例を確認してみましょう。

縦の繋がりを強化した事例

社内コミュニケーションの活性化を図るうえで課題になりやすいのが、上司と部下の縦のつながりです。役職の上下関係が付きまとうことから心理的距離が開きやすく、互いに苦手意識を持ってしまうのです。
この縦の人間関係を改善し、コミュニケーションを強化した例を紹介します。資生堂とYahoo!2つの事例を見てみましょう。

資生堂 リバースメンター制度

資生堂が取り組むリバースメンター制度は、上司と部下の立場を入れ替えて交流を図る施策です。ITツールに詳しい若手社員をメンターに任命し、自分とは異なる事業領域の役員に、ツールの知識や使用法をマンツーマンで指導する制度を導入しました。

元々は役員のITリテラシー向上のために始めたこの制度ですが、役員から若手に対する評価の向上など、社内コミュニケーションの向上にも効果があったそうです。
上司にとっての部下は、時には職務上の注意や叱責が必要になる関わりの難しい相手。立場を入れ替えることで互いの理解を深めた画期的な制度と言えます。

Yahoo! 1on1ミーティング

インターネットサービス大手のYahoo!で実施されているのは、上司との一対一のミーティングです。普通のミーティングと異なるのは、面談中は「部下の話を聞く時間」だという点。週に一度30分の時間を確保することで、部下の考えや適性を引き出し、業務に反映します。
上司と一対一の面談となると、部下が遠慮して上司の方がメインで話しがちです。このような事態を避けるため、1on1ミーティング終了後には、客観的な立場からフィードバックがあります。制度が形骸化されないよう練られた対策です。

「部下が何を考えているのか分からない」「すぐに辞めてしまう」といった上司の悩みはしばしば耳にします。部下の話を聞く時間を定期的に作ることで、組織の抱える課題の発掘やマネジメント強化に繋げた好例です。

フリーアドレス制でコミュニケーションを強化した事例

フリーアドレス制とは、オフィスの座席を自由化することです。オフィスの座席は固定されていることが多いですが、フリーアドレス制では毎日好きなデスクを使います。毎日違う相手と隣り合うことで、社員同士のコミュニケーションを円滑にする効果が期待できるのです。

「部署内のみ自由化する」、「建物内で完全自由化する」など、様々な形態がとられています。制度が形骸化するリスクもありますが、独自のルールを設け回避している会社も多いです。そんなフリーアドレス制の導入事例として、カルビーとウシオ電機の事例をご紹介します。

カルビーダーツ・システム

カルビーのフリーアドレス制には、一風変わった特徴があります。一般的に、フリーアドレス制では社員がその日使いたい席を自分で選びます。しかしカルビーでは、どの座席を使うかは出社時に「ダーツ・システム」と呼ばれるシステムによって自動決定されます。フリーアドレスの問題の一つは、いつの間にか座席が半固定になってしまうことです。カルビーのダーツ・システムは、フリーアドレス制を机上のものにしないための画期的な運用方法と言えます。

ウシオ電機 フリーアドレスオフィス

光学機器や照明を取り扱うウシオ電機も、フリーアドレス制を導入している会社の一つです。広いフロアの中で、社員がそれぞれ好きな席を選んで使用しています。
フリーアドレスの導入時は、いくつか問題もあったようです。マネジメント層から管理のしにくさを指摘される、チーム単位でまとまって座ってしまうなど、運用の難しさを感じることも。
現在は役員が違う席の利用を促すなど、社内で試行錯誤しながら効果的な運用を模索しています。

ランチを利用した事例

社内コミュニケーション向上の一つの方法として、ランチタイムを利用した事例も存在します。一定のルールのもと、同じ社内の相手とのランチに補助を出しているケースが多いです。
ランチタイムを利用した取り組みとして、サイバーエージェントとコンビーズの導入事例を見てみましょう。

サイバーエージェント シャッフルランチ

サイバーエージェントでは、ランチタイムを利用して社内の交流を図る「シャッフルランチ」を導入しています。月に一度、業務で接点のない社員同士が外でランチをとる場合に、ランチ代を支給するという制度です。ランチ代は、一人当たり業務で関わりがないと、同じ会社の社員同士でもつい疎遠になりがち。ランチタイムを通して、普段交流のない相手とのコミュニケーションを確立した画期的な例です。

コンビーズ ランチDEデート・プロジェクトDEランチ

コンビーズのランチ制度は2種類。一つは、ランダムなメンバーで食事に行く「ランチDEデート」。もう一つが、業務で関わりの深いメンバーとの「プロジェクトDEランチ」です。それぞれ月に一度行われ、社員同士の大切な交流の場となっています。どちらもランチにかかる費用は会社負担のため、昼からちょっと豪華な食事が楽しめると社内で好評です。
一時的に仕事を離れたランチタイムは、従業員間の相互理解を深めるのにぴったりの機会。うまく運用すれば、社内コミュニケーションの活性化の一助となります。

社内イベントを利用した事例

社内コミュニケーションの活性化のため、イベントを活用した例もあります。イベントがきっかけで、今まで交流のなかった相手の意外な一面を知り、その後の交流のきっかけとなるパターンも多いです。
社内イベントを活用した例として、クックパッドとコーソルの事例をご紹介します。

クックパッド 料理会

レシピサイトで有名なクックパッドは、会社の中に共用のキッチンを持っています。従業員が料理を楽しむ場となっており、昼になると合同で料理を作り始めることも多いそう。冷蔵庫には、まかないとして食材が常備されており、協力して料理を作って持ち寄ることも多いのだとか。共用のキッチンで一緒に料理をすることで、自然と社内の交流も活発になっています。
キッチンがある会社は珍しいですが、定期的に共同作業を行うという視点でなら他社にも真似できそうです。

コーソル ファミリーデー

コーソルには、従業員の家族を招いて職場見学を行う「ファミリーデー」というイベントが存在します。家族に仕事中の姿を見てもらうことで、仕事に対する理解を深めてもらうことを目的に始まりました。
また、職場の仲間たちに子供や配偶者の存在を知ってもらうことで、社員同士の交流が深まるきっかけにもなっています。
普段関わりのない部署のメンバーであっても、親であり配偶者という一面を見て交流が発生するケースもあるようです。

 

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社内コミュニケーションを活性化させる目的

そもそも、社内コミュニケーションを活性化させる目的は何でしょうか。なんのためにやるのか、という点を整理できていないと、制度を作っても運用段階で計画が難航します。
一例として、社内コミュニケーションの活性化に取り組む会社では、以下のような効果を期待していることが多いです。

  • 従業員同士の交流を増やし孤立を防ぐ
  • 離職率を下げる
  • 会社の利益を向上させる

それぞれ内容を確認してみましょう。

従業員同士の交流を増やし孤立を防ぐ

従業員同士に交流がないと、業務上の課題や問題を個人で抱え込んでしまうことがあります。社内コミュニケーションの活性化は、このような事態を回避するのに効果的です。


たとえば、与えられた業務が社員のレベルに合っていない場合を考えてみましょう。担当者がこの問題を誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまったと想定します。
このようなケースで起こり得るのが、期限ギリギリまで問題が発覚せず、水面下で悪化していくことです。そのような場合、仕事の期限に間に合わず多方面に被害が拡散することになります。
このような事態は、課題をチームで適切に共有し、メンターの任命といった対策を打つことで回避可能です。日頃の従業員同士の交流を増やすことで、業務における「報・連・相」の円滑化が期待できます。

離職率を下げる

社内コミュニケーションの活性化は、離職率を減少させる効果も発揮します。というのも、退職者の多くが退職理由に「人間関係」を挙げている現状があるからです。リクナビの調査によると、上司や経営層、同僚との人間関係が原因で退職を選ぶ人は約4割にものぼります。

人間には相性があるため、社内コミュニケーションを強化しても合う・合わないは存在するでしょう。しかし、仕事のやり方や評価方法など、相互理解によって足並みを揃えられる場面は少なくありません。社員同士の軋轢を減らして離職率を下げるために、社内コミュニケーションは一定の効果があると考えられます。

会社の利益を向上させる

社内コミュニケーションの活性化は、リスクの軽減だけでなく利益の向上にも繋がります。個人が保有しているスキルや知識を、より広い範囲で共有することができるからです。ITツール一つ取っても、便利な機能や使い方を社内で共有できれば業務の効率化を進められます。

また、スキルの共有だけでなく、適性に合った人員の配置にも効果的です。「Aさんには○○の資格があるから、今度のアプリ開発にアドバイザーとして入ってもらおう」といった具合に、普段のコミュニケーションから、その人の得意分野や知見の深い分野を知っていれば、適材適所の配置が可能になります。

このように、社内コミュニケーションは利益面でも多くの場面で良い影響を与えます。業務の効率化やより良い製品の開発など、多方面から会社の利益増進に繋げることが可能です。

社内コミュニケーションが進まない3つの理由

社内コミュニケーションは、一見すると放っておいても従業員同士で勝手に進みそうなもの。しかし、現実にはそう上手くはいかないことが多いです。
社内コミュニケーションの停滞にはいくつか理由が存在します。代表的な以下の3つの理由について考えてみましょう。

  • それぞれが会社や他の従業員に興味を持っていない
  • 上司や年上に対して遠慮している
  • ITツールへの依存

それぞれ詳細を解説していきます。

それぞれが会社や他の従業員に興味を持っていない

それぞれの従業員が、そもそも他の従業員や会社に興味がないことが考えらえます。「会社は仕事をこなしてお金をもらう場所であり、それ以上でも以下でもない」というドライな考え方を持つ人に多いです。
会社への興味の欠如は、経営層との関係の希薄さが原因になっていることがあります。組織の規模が大きく、経営層が多忙で現場に足を運ぶ時間が取れない場合には特に顕著になります。
上司や同僚との交流不足から、相互理解の欠如に発展してしまうケースです。

上司や年上に対して遠慮している

現場社員の中には、「上司や年上には近寄りがたい」と感じている人も多いです。そのため、仕事を離れた場では遠慮しがちで、交流が進まない場合があります。
上司や先輩は、時には注意を受け、叱責されることもある相手です。「仕事で迷惑をかけている」という負い目があれば、なおのこと近寄りづらくなります。ふと気がつくと、お互いに相手の顔と仕事内容くらいしか知らない、といった事態に陥っていることも。
社内コミュニケーションの停滞には、このような心理的な距離からの交流不足も影響しています。

ITツールへの依存

チャットやオンライン会議ツールなど、ITツールへの依存も社内コミュニケーションの停滞の原因です。日本では、徐々に業務のIT化が進行しています。リモートワークを導入している会社だと、他の従業員と一度も会ったことがない場合もあるでしょう。ツールを介して仕事のやり取りができるため、あえて時間を取って直接会う必要がなくなるのです。

ITツールは業務の効率化に欠かせないものですが、社内交流の心理的ハードルが上がるという欠点があります。オンライン会議などは、要件が終わると終了してしまうため、ちょっとした小話や雑談などには向きません。効率化を重視しすぎたITツールへの依存も、社内コミュニケーション停滞の原因となります。

社内コミュニケーション向上のための3つのポイント

社内コミュニケーションの向上のためには、以下の3つのアプローチから対策を練ると効果的です。

  • 相手を知る
  • 顔を合わせて話をする機会を作る
  • 経営層とのコミュニケーションの機会を作る

それぞれの詳細と具体例を紹介していきます。

相手を知る

社員同士がお互いのことを知らなければ、コミュニケーションは生まれません。どういう仕事をしているのか、どんな人なのかを知ることで、社員同士の繋がりを強化できます。
そのためには、社内イベントの開催や定期的に行う少人数のランチ会がおすすめです。まずは交流のための心理的ハードルを下げ、コミュニケーションのきっかけとなる場を提供してみましょう。

顔を合わせて話をする機会を作る

ITツールは非常に便利ですが、依存してしまうと社内コミュニケーションが停滞する要因になります。業務に直接関係ない事柄には触れにくく、コミュニケーションのハードルが上がってしまうためです。
気づきやアイデアは、ちょっとした雑談や世間話から生まれることも多くあります。社内のルールや仕事のやり方にもよりますが、可能であれば定期的に顔を合わせるのも一つの手です。

経営層とのコミュニケーションの機会を作る

経営層が「雲の上の存在」と認識されると、会社の経営や全体の売り上げは他人事になりがち。これは、組織に対する帰属意識が希薄になり、「自分の目標を達成できればOK」というスタンスになるためです。
組織内で自らのポジションを確認し、利益に貢献してもらうためには、経営層との交流は非常に重要になります。
そのために、経営層と現場の社員で、ざっくばらんに話をする機会を設けてみましょう。その場合、現場の社員が萎縮してしまわないよう、複数名で場を持つのがおすすめです。

社内コミュニケーションを向上させる際の注意点

社内コミュニケーションを向上させるための施策は、やみくもに進めて効果が出るというものではありません。どんな対策を取れば良いかは状況によって異なるためです。「A社では効果が出た施策も、B社ではうまくいかない」という事態も十分に考えられます。
社内コミュニケーションの向上に取り組む際は、いくつかの点で注意が必要です。ここでは、以下の2点に絞ってご紹介します。

  • 施策による社員の負担に配慮する
  • 目的に合った手法を取る

それぞれ詳細を見ていきましょう。

施策による社員の負担に配慮する

社内コミュニケーション向上のための施策を実施する場合、現場の社員にかかる負担に配慮が必要です。全く負担をかけないことは難しいですが、社内の状況に応じて負担軽減を考えなければなりません。社員が施策そのものに拒否感を持ち、積極的に参加してくれないようでは意味がないからです。

では、どのように工夫すればよいのでしょうか。一例ですが、以下のような工夫が挙げられます。

  • 子育て世代が多い場合は長時間の拘束が必要な内容は避ける
  • イベントの実施は繁忙期を避けるようにする
  • ランチや面談の場が「上司の接待」になっていないかフィードバックをもらう
  • 大規模なイベントは外部の会社に運営を外注する

どういった内容が適切かは、それぞれ会社の状況によって異なります。可能であれば事前に調査を実施し、状況に応じたものを考えてください。

目的に合った手法を取る

一口に社内コミュニケーションといっても、その種類はいくつか存在します。縦・横・斜めなど、社内の人間関係は実に多様です。まずは、社内コミュニケーション向上の目的を整理し、それに応じた対策を取るようにしましょう。
目指すビジョンと、そのために不足しているコミュニケーションを洗い出すと、効果的な対策が可能です。

まとめ

社内コミュニケーションを活性化したい場合、まずは現在の問題点と目標を明確にしてください。社内コミュニケーション活性化のための施策は、以下の点を整理しておくとスムーズに進めやすいです。

  • 社内コミュニケーションが不足していると思う理由は何か
  • 不足しているのはどのタイプか(上司と部下・同僚間・現場と経営層など)
  • 使える予算はいくらか
  • 現場の制限事項(避けるべき繁忙期・時間的拘束が可能かどうかなど)

まずは、このように現場の状況を洗い出し、現状を把握することから始めるとよいでしょう。最初に紹介した事例集も参考にしてみてください。
ぜひ今回の記事を参考に、会社にぴったりの施策を考えてみてください。

 

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