社内イベントへの強制参加は違法?社員も喜ぶ社内イベントを成功させる秘訣とは
社員の親睦を深めるために、あるいはチームワークを鍛えるためにと、さまざまな目的で社内イベントを企画する企業は少なくないと思います。しかし、せっかく企画してみても積極的に参加してくれない社員も少なくありません。そのような社員に対し、社内イベントへの参加を強制してはいませんか? 場合によっては違法となる場合があるため注意しなければなりません。
今回は社員の意見も紹介しながら、社内イベントの法規的な扱いについて、また、参加したくなる社内イベントを企画するための秘訣を紹介します。
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社内イベントへの参加に積極的ではない社員の言い分
まずは、社内イベントへの参加に積極的ではない社員の意見に迫ってみましょう。
よく聞かれる意見は
「プライベートと仕事は分けたい」
「平日の仕事で疲れているうえに、せっかくの休日まで興味のないイベントで潰されるなんてうんざり」
「友人同士なら楽しめるイベントでも上司に気を使いながらでは楽しめない」
というようなものが挙げられます。また、こういったイベントへの参加を強制されることについては
「仕事でもないのに興味がないものに参加しないといけないのは納得できない」
「自由参加と言いながら参加しないと評価を下げられるから嫌々でも行くしかない」
「イベントへの参加も仕事のうち、というけれど、だったら給料が欲しい」
と、かなり参加を強制する会社に対しては批判的な意見がみられます。
このことから、社内イベントへの参加に積極的でない社員は「仕事ではなく、給料もでない社内イベントに、プライベートの時間や費用を使わなくてはならないことに」に対して強い拒否感があることが読み取れるでしょう。
また同時に、社内イベントへの参加強制は、社員が社内イベント自体に持つ拒否感を会社の権力で無理やり従わせる形になってしまうため、やはり社員からの心象は悪くなってしまうと言わざるを得ません。そのような状況が繰り返されると退職や転職を選ぶ社員も出てくるでしょう。
経営者側からしたら社員全員のコミュニケーションアップを図り、働きやすい環境を作りたいと思って企画した社内イベントなのでしょうけれど、そのことが離職率の上昇につながってしまうかもしれないのです。
では参加を強制するという行為は法的にはどのように判断されるのでしょうか。
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強制参加は違法? 社内イベントの法規的な扱いについて
まず、企業として社員に「命令」を下せるのは企業が持つ「業務命令権」を行使した場合になります。
業務命令権とは、一定の範囲内において、企業が労働者に対して業務遂行のために命令を行える権利のことです。
また、労働者側がこれを拒否できるのは、その命令に従うことで多大な不利益を被る可能性がある場合(怪我や命の危険があるなど、危険性が非常に大きい命令など)や、労働基準法などに違反する場合(労働基準法で定められた時間を超えての労働命令など)、命令の内容が違法行為に当たる場合(賄賂や談合、偽造などの命令)、差別的な理由により下された命令(性別や宗教的なことを理由にした異動命令など)である場合などに限られます。
つまり「業務として」であれば業務命令権を行使することで社内イベントへの参加を強制させることは可能です。
しかし、業務である以上、社内イベント中も通常通り賃金を支払う必要がありますし、休日や通常業務終了後など、労働時間外に開催する場合には残業代(時間外労働に対する賃金)を支払う必要があります。
また、業務である以上、社内イベント中の時間も労働時間に当たるため、法定労働時間(1日8時間・週40時間、残業は週15時間・月45時間以内)を超えないようにしなければなりません。
もしも、賃金を支払わない業務外扱いの社内イベントに業務命令を使って強制参加させた場合には違法となってしまうため、注意が必要です。
「業務外の社内イベントであるために自由参加」とする場合でも、その社内イベントに参加しなかったことを理由に給与を減額されたり、人事評価で不利な評価をしたりした場合などは、実質的には強制参加とした場合と同様と判断される可能性が高いでしょう。
自由参加とする場合は、参加するのも不参加を選択するのも社員の自由意思による、としなければならないのです。さらにそれによって、人事評価や業務における不利益を与えてはならないことも注意しておきましょう。
参加したくなる社内イベントを企画するために
ここまでで見てきたように社内イベントへの強制参加は「社内イベントへの参加が業務扱い」でなければ違法になってしまいます。つまり社員が自主的に参加してくれるイベントが企画することが重要だということです。
では社員が参加したくなる社内イベントを企画するには、どのようなポイントに気をつければ良いのでしょう。
目的を明確にする
まずは、目的を明確にすることです。なんのために社内イベントを企画するのかを考えてみましょう。
たとえば、社員のチームワーク、団結力を強化することを目的として、研修に近い性質の社内イベントを企画したいと考えたとしましょう。この場合なら、イベントを業務扱いとして社員全員を強制参加にするのもよいでしょう。開催日も平日の業務時間を使います。もちろん業務ですから給与も出します。
また、社員の親睦を深めることや企業に愛着を持ってもらうことが目的なのであれば、自由参加にしましょう。こういう目的の場合、とても魅力的なイベントが企画できたとしても、社員にも休日の予定がありますから強制参加にすると、親睦を深めるという目的なのに反感を持たれる結果になる可能性があります。
このように、目的を達成するためにはどうすべきかを考え、強制参加にするべき社内イベントなのか、自由参加にするべき社内イベントなのかを決めておきましょう。
社員が実感できるメリット(達成感・向学心を刺激)を用意する
また、強制参加、自由参加どちらの場合でも、社員にとって実感しやすいメリットを用意しておくことで社内イベントへのモチベーションになるでしょう。
たとえば、休日に開催する自由参加型のイベントであれば、参加者には代休を与えるようにすると「休日がイベントで潰される」という意識が薄くなり、参加しやすくなるでしょう。
また、運動会のような対戦型の社内イベントであれば、賞金や賞品を用意しておくことで参加へのモチベーションを高めることができるでしょう。
そのほか、話題になっているテーマで勉強会を開く場合なら、注目されている人物を講師に招くなども参加意欲を刺激することになるでしょう。
さまざまな社内イベントを企画するうえで注意すべき点は、企画者の独りよがりの企画にならないようにするということです。
そのためには、企画段階で、社員に向けた無記名のアンケートなどを実施して、社内イベントに対する社内の意識を調査しておきましょう。その結果、参加したくない社員がいる場合にはなぜ参加したくないのかを把握しておきます。その理由を考慮しながら企画を練り上げ、参加することが無駄であると社員に思わせない内容にすることが大切です。
社内イベントの目的は?開催のメリットと注意点とは
まとめ:
社員個人個人の生活は多様化しています。同じ会社で同じ業務に携わっていても、私生活における興味や関心は異なっていると考えるべきです。そうした多様な社員が全員、休日に開催される社内イベントへ喜んで参加すると考えて企画するのは無理がある、とも言えるでしょう
。しかし、社内イベントを開催するにはそれなりの目的があり、効果があると考えられます。たとえば業務部署が異なる社員同士に接点が少なく、どうしてもコミュニケーションが不十分だと感じるような場合、今後の業務効率を高めていくために、あるいはイノベーションを期待するので部署を超えた社員のコミュニケーションを高めたいと考えるのは当然です。
そのために社内イベントを計画するのも合理的な方法だと言えるでしょう。まずは何のためのイベントをどのような形で開催するのが良いのかを整理することからはじめましょう。
社員が参加したくなるイベントを企画し、業務成果も業務環境も向上させましょう。
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参考サイト:
社内行事は残業代が支払われる?参加を強制されたら労働時間になる!|労働問題弁護士ガイド